皆様、こんにちは。
今までは胃カメラ、大腸カメラで診断される病気のお話が続いておりましたが、今回は腹部エコーで診断される病気のお話をさせて頂きます。
胆石という病名は多くの方が1度は耳にしたことがあるのではないかと思います。今回は胆石の中でも胆のう結石のお話をさせて頂きます。胆のうという袋状の臓器が肝臓の近くにあり、肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)という消化液を貯めています。この胆のうに出来る石を胆のう結石といいます。脂肪の多い食事、細菌感染、溶血、肝臓の障害などで生じると言われており、石が出来やすい要素として、40歳代、女性、肥満、白色人種、多産婦、妊娠、ダイエットなどが指摘されています。症状としては、無症状のことが多いですが、右わき腹やみぞおちの痛みが起こることもあります。石が原因で胆のう炎になると痛みもあり発熱もします。胆のう炎があると血液検査で白血球やCRPなどの炎症反応が上昇しますが、無症状の胆のう結石では血液検査で異常所見は基本的に出ません。画像検査はまずは腹部エコーを行い、必要に応じてMRIやCTを追加します。無症状の胆のう結石は特に治療の必要はなく、年1回程度の腹部エコーで経過を見ていきます。しかし、痛みを伴ったり、胆のう炎を起こしている場合は手術(胆のう摘出術)が必要になります。他には、薬や衝撃波などの治療法もありますが、十分な効果が得られないこともあり、胆のう結石の治療の原則は胆のう摘出術とされています。
先日の患者様ですが、みぞおちあたりの痛みを自覚して来院されました。元々、胆のう結石のある方で、それによる痛みである可能性を考えました。しかし、胃潰瘍、胃がん、肝炎、膵がん、膵炎など他の病気が無いかどうかを確認することも必要であるため、血液検査、胃カメラ、腹部エコーを行いました。結果は胆のう結石を認めるのみであり、最終的に痛みを伴う胆のう結石と診断して、手術目的で病院に紹介させて頂きました。
このしたクリニックでは絶食で来院頂ければ、当日の腹部エコーも可能です。みぞおちあたりの痛みがある時は胆のう結石の可能性があるために、このしたクリニックに是非ご相談下さい。
それでは、次回のブログもよろしくお願い申し上げます。