皆さん、こんにちは。

最近は、「年内に胃カメラ、大腸カメラを済ませておきたい」というご希望の患者様が多くいらっしゃいます。まだまだ検査予約可能ですので、ご検討よろしくお願い申し上げます。

さて、今回は胃憩室症についてです。大腸憩室症は聞いたことがあると思いますが、実は憩室は胃にもできることがあります。他には、食道や十二指腸、小腸にもできることがあります。胃憩室の発生頻度は稀で、約0.1%です。約75〜80%は穹窿部(きゅうりゅうぶ)という胃の入口近くの場所にでき、この場所にできる場合は先天性(生まれつき)が多いと言われています。一方、幽門前庭部(ゆうもんぜんていぶ)という胃の出口近くの場所にできる場合は、後天性(生まれた後)で、胆嚢炎(たんのうえん)や膵炎(すいえん)など、胃の周囲にある臓器の炎症などで引き起こされると考えられています。胃憩室には大腸のような憩室炎の報告はほとんどなく、悪性化も極めて稀です。症状がなく経過することが多く、特に治療の必要はありません。しかし、胸やけ、食欲不振、吐き気、心窩部痛(しんかぶつう:みぞおちの痛み)を伴う場合や、憩室出血、穿孔(憩室に穴があくこと)、がんの合併などを認める場合は、内科的、外科的治療を必要とします。確定診断は胃のバリウム検査や胃カメラで行われます。

先日の胃カメラで胃憩室を認めた患者様がおられました。今までも数名経験したことがありますが、いずれの方も偶然発見されました。このように、偶然に発見されることが多いと思いますが、心窩部痛など認める場合は、胃憩室の可能性も考えておくべきだと思います。

それでは、次回のブログもよろしくお願い申し上げます。