皆さん、こんにちは。

いよいよ今年もあとわずかになってきました。これからは忘年会が続き、ついつい無茶をしてしまうことが多くなるのではないかと思います。どこかでブレーキをかけて、体調管理をして頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

さて、今回は胃アニサキス症についてのお話です。アニサキスという寄生虫の幼虫が胃の壁に食いつくことによって急な強い腹痛や吐き気、嘔吐を起こす感染症であり、魚介類(サバ、イワシ、アジ、サンマ、タラ、ホッケ、イカなど)を生で食べた後、1時間から数時間で発症することが多いです。他の症状として、発熱や皮疹が5-20%で合併すると言われており、皮疹は蕁麻疹、浮腫性紅斑と表現され、アレルギーによるものと考えられています。診断には原因魚介類摂取の有無を聞くことが重要であり、胃アニサキス症が強く疑われれば胃カメラを行い、アニサキスの虫体を発見できれば除去します。ここで注意しなければならないことは、1匹の虫体を見た際には複数の虫体がいないか、胃の中を隈なく検索するということです。虫体を完全に除去できれば、症状は改善します。改善しない場合は、胃や他の消化管(小腸など)にまだ虫体が残っている可能性があるために、CTを追加したり、入院で経過観察することもあります。また、腸穿孔(腸に穴があくこと)や腸閉塞が起こることもあるために、注意が必要です。魚介類を生で食べるのを控えて頂くことで感染は防ぐことが出来ますので、加熱、冷凍するようにしましょう。

つい先日の話です。昨日生のサバを食べてお腹が痛くなり、、、という患者様が来院されました。この段階でアニサキスで間違いないだろうと思いましたが、なんと患者様もアニサキスを疑っておられました。ご自分でお調べになられて来院されたのです。私も患者様から教えて頂くことは沢山ありますが、本当に皆さんよく勉強をしていらっしゃると思います。緊急胃カメラを行い、やはり胃アニサキス症でした。それも2匹。完全除去して、ご帰宅されました。

皆さん、くれぐれも生の魚介類には気をつけて下さい。もし症状があれば、このしたクリニックにご相談をよろしくお願い申し上げます。

それでは次回のブログもよろしくお願い申し上げます。