皆様、こんにちは。

ブログ更新が滞ってしまい、申し訳ありません。今後も不定期ではありますが、更新していきますので、よろしくお願い申し上げます。

今回は胃粘膜下腫瘍についてです。胃カメラをさせて頂くとたまに遭遇しますが、最近はたて続けに遭遇しました。胃の粘膜の下(胃の壁の中)にできものができることがありますが、このできものを総称して胃粘膜下腫瘍といいます。ほとんどの場合は腫瘍は正常な胃粘膜に覆われており、無症状で、検診のバリウム検査や胃カメラにて偶然発見されます。腫瘍は良性、悪性どちらもありますが、最も多いのはGIST(gastrointestinal  stromal  tumor、消化管間質腫瘍  ジストと読みます)であり、他には平滑筋種(胃の壁の筋層にできるできもの)、嚢胞(水ぶくれのようなできもの)、脂肪腫(脂肪のかたまり)、迷入膵(胃の壁に膵臓の組織が紛れ込んだもの)などがあります。GISTは消化管の運動に関与している細胞から出来る腫瘍であり、転移を起こす悪性のものもあるために、原則的に治療(手術や化学療法など)が必要です。上記の他の腫瘍は基本的に良性であるため、治療を必要とせず経過観察が可能です。しかし、経過観察中に腫瘍が大きくなったり、形がいびつになったり、出血や潰瘍をきたしたりと悪性を疑う所見が出てくることもあるために、年に1-2回の胃カメラは必要であり、場合によってはCTなどの検査も追加で行います。

胃粘膜下腫瘍を発見した場合、どのタイプの腫瘍かを常に診断しないといけないというわけではありません。例えば、10mm程度の大きさで、いびつな形や出血、潰瘍形成などの悪性所見がない場合は、経過観察になります。一方、大きく、悪性所見がある場合は細胞や組織の検査をして診断をつけます(病院での精密検査になります)。

このしたクリニックでは定期的な胃カメラが可能ですので、胃粘膜下腫瘍の診断を受けられた方は是非ご相談下さい。

それでは次回のブログもよろしくお願い申し上げます。