皆様、こんにちは。
次第に肌寒く感じる季節になってきました。今年は例年以上に体調管理をよろしくお願いします。
今回は、食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアのお話です(ヘルニアとは簡単に言うと、臓器が元々ある場所から飛び出してずれるということです)。胸部と腹部は横隔膜で仕切られており、食道は胸部から腹部に入る時に、この横隔膜にある食道裂孔という穴を通ります。高齢になったり、腹圧がかかることにより(肥満、妊娠、よく咳をするなど)、食道裂孔がゆるくなって広がることで腹部にある食道と胃のつなぎ目が胸部の方にずれてヘルニアが起こるのです(実際には食道裂孔ヘルニアには他にも色々なタイプがあります、)。無症状のこともありますが、胸焼けや呑酸(口が酸っぱい感じがする)、胃痛、胸痛、咳、咽頭痛などの胃酸の逆流による症状や稀ではありますが食べ物の通過障害、胃の血流障害による壊死などが認められることがあります。胃カメラで診断されることが多いですが、バリウム検査(上部消化管造影検査)やCTで診断されることもあります。無症状の時には治療は必要ありませんが、上記の逆流症状があれば胃薬を処方いたします。通過障害や壊死などがあれば、外科手術を考慮しなくてはいけません。
このしたクリニックでは多くの胃カメラをさせて頂いておりますが、食道裂孔ヘルニアに遭遇する機会は多いです。今まで手術が必要な患者様はおられませんでしたが、胃薬が必要な患者様は割とおられます。このしたクリニックでは当日の胃カメラも可能ですので、是非ご相談ください。
それでは、次回のブログもよろしくお願い申し上げます。