みなさん、こんにちは。今回は食欲不振についてのお話です。先月にもこの症状で受診される患者様は多かったです。食事を摂取するためには、嗜好にあった味、形態の食事が準備され、食欲が湧き、食事の味を感じ、スムーズに咀嚼、嚥下ができ、悪心や痛みを伴わないことが必要です。これらの1つでも障害されると食欲が低下することがあります。 喉や胸のつかえ感や腹部膨満感、腹痛、悪心などを伴っている場合は、まずは消化器疾患を考えます。消化器疾患と言っても沢山ありますが、具体的には食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がんなどの消化器がん、胃十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、肝硬変、胆石などです(血液検査、胃カメラ、大腸カメラ、エコー検査などで精査をします)。 消化器疾患以外では、うつ病、神経性食欲不振症(若い女性に多いです)、認知症、アルコール依存症、甲状腺機能異常、膿瘍(膿がたまる病気です 例えば肝臓に膿がたまる病気を肝膿瘍と言います)、妊娠初期、食事の嗜好、形態の問題、薬剤性(ジギタリス、テオフィリン、抗うつ薬など)、味覚障害、副腎不全、脳腫瘍などがあります。このように食欲不振を引き起こす疾患は、消化器疾患だけではないということをまずは覚えておいて下さい。各領域の専門医の先生と連携して精査を進めていく必要があることもございます。食欲不振を自覚されましたらご相談頂き、解決していきましょう。